当院の治療方針

診療方針

当院では、出来る限り保険内での歯科治療を目指しています。
しかしながら、保険では対応できない歯科治療がある事も事実です。
具体例として、審美歯科やインプラントや矯正治療が挙げられると思います。

保険の前歯は、硬質プラスティックであるため、色に深みが無く単色です。そのため他のご自身の歯の色と違いが生じやすく経年的に摩耗と変色が起こります。セラミックの歯は色に透明感と深みがあり、ご自身の他の歯の色に限りなく近づけることが可能です。
また経年的な摩耗や変色は起こりにくいです。

インプラント治療は、どうしても入れ歯が合わない方、ブリッジで綺麗な天然歯を削りたくない方などの要望に応えるための治療法です。インプラント治療は、患者様の既往歴や顎骨の状況によっては、治療が出来ない場合があります。

矯正治療は、しかるべき矯正専門医に紹介させて頂いております。
保険適用外の治療は、気軽にご相談ください。

歯科治療時に全身状態の配慮が必要となる場合

当院の患者様で右下奥歯に違和感と継続的な痛みを訴える患者様がいました。
レントゲン写真等にて顎骨や歯に異常はなく、脳神経外科受診を勧めた結果、脳血管障害が見つかった患者様がいました。
このように、歯や顎骨や粘膜等に異常は無いものの、片側に継続的な違和感が継続する場合、脳血管障害などを疑わねばなりません。

今迄普通に歯科治療をされていましたが、突然歯科治療時に呼吸が荒くなる患者様がおられました。ご家族と相談の上、循環器内科を受診したところ冠動脈に狭窄が見つかりステント手術になりました。

右上奥歯に響くような痛みがある患者様が来院されましたが歯には異常が無く、X線撮影の結果、副鼻腔炎の症状が認められたため、耳鼻科を紹介しました。耳鼻科受診後症状は消失しました。
この症例は割と多く、階段を上り下りする際に上の奥歯に響くような痛みを伴うことが多いのが特徴です。

骨粗鬆症

骨粗鬆症でビスフォスフォネート製剤(BP剤)や抗RANKL抗体(デスマノブ)等の骨を強くする作用がある薬剤が治療に用いられます。これらの薬を一定期間服薬中に抜歯等の外科処置を行うと顎骨壊死の副作用が報告されています。場合によっては、抜歯に際し、一定期間服薬を中止する必要があります。

持病がある方の歯周病

糖尿病の患者様、リューマチで生物製剤(アクテムラ等)を注射投与中の患者様、抗がん剤治療中の患者様等は、免疫低下のため歯周病も進行しやすく、重度の歯周病に移行する可能性が高いので、歯科医院で定期的なクリーニングが推奨されます。

歯肉増殖

高血圧やてんかんの薬剤の中には歯肉増殖の副作用を伴う薬剤があります。
重度の歯肉増殖を発症した場合、歯肉切除の必要性が生じます。

黒毛舌

舌背が黒色に変化し、場合によっては毛が生えたように見える状態になります。
抗生剤やステロイドの長期服薬による菌交代現象に起因します。
菌交代現象の誘因が無くなれば、1~2週間程度で消失します。
舌背を清掃し、清潔に保つことが大切です。

舌痛症

舌痛症は突然舌尖や舌縁にヒリヒリするような灼熱感や痛みを訴えるもので、よく舌癌と勘違いされて来院するケースが多いです。女性の方に多く見られ、ビタミンB2の不足、ミネラルの亜鉛不足やホルモンのバランスが崩れる事によって生じることもあります。心因性の要因も考えられます。貧血に併発する場合も多いので、鉄欠乏性貧血や悪性貧血等の鑑別診断が必要になる場合があります。

顎関節症

顎が痛い、口が開かない、口を開け閉めしたときに顎関節に音が鳴る等様々な症状が見られます。不随する症状として目まいや肩こり、場合によっては頭痛も併発します。
全身的な要因と局所的な要因に分けて考える必要があります。
全身的な要因として関節リューマチが考えられます。股関節にチタンの人工関節が入るように顎関節にも人工関節が入る場合もあります。

  • 局所的要因として
  • 1)歯ぎしり(ブラキシズム)が強い
  • 2)食いしばり(クレンチング)が強い
  • 3)歯並びが悪い
  • 4)顎関節の変形

等が上げられます。治療法としてスプリント(咬合挙上板)を装着していただき、顎関節や咀嚼筋をリラックスさせて治していきます。
原因の除去も大切です。歯並びに起因する場合は矯正治療の必要性もあります。
顎関節の変形に起因する場合、外科的処置が必要となる場合もあります。

口腔乾燥症

唾液の分泌が低下して、口が乾いた状態のことをさします。口がネバネバした感じがあったり、食べ物が飲み込みにくくなったりします。ひどくなると舌がひび割れたり、口臭も強くなります。

  • 原因として
  • 1)加齢やストレスによる唾液腺の機能低下
  • 2)口呼吸(鼻炎などにより鼻づまりがあり、口呼吸になっている)
  • 3)薬剤による副作用(抗うつ剤・降圧剤・抗パーキンソン薬は唾液の分泌を低下させます)
  • 4)糖尿病やシェーグレン症候群等の合併症(シェーグレン症候群は目や口の渇きを伴います。関節リュウマチや全身性エリテマトーデス等の膠原病に合併症として現れることがあります。

原因の究明も大切になります。
保湿性薬剤等で対応します。

口腔病変

様々な口腔内病変が存在し、視認できるため不安なる患者様が多いです。
当院では様々な口腔病変に関し、患者様に具体的な症例写真を見ていただいて、ご説明させていただいております。

口腔癌

胃癌、肺癌、乳癌、大腸癌、子宮癌、肝臓・膵臓がんと様々な癌がありますが、口腔癌は癌全体の2%程度の割合です。その口腔癌の中で一番多いのが舌癌で次いで歯肉癌となります。口腔癌の特徴として、視認が可能な事が挙げられます。
初期症状は痛みを伴わない事が多いです。自身で時折、口腔内を観察する事も大切ですが、定期的な歯科健診が早期発見につながる事が多いです。
過度の飲酒・喫煙が原因となる事が多いです。当院では口腔癌が疑われる場合、リンク先病院の歯科口腔外科を紹介しております。

白板症

喫煙される方によく見られます。拭っても取れない白斑が特徴です。
5%程度が癌化すると言われている前癌病変です。場合によっては一部切除し病理組織検査をする必要があります。

正中菱形舌炎

舌背正中に菱形の隆起を認める。舌の先天性異常で舌発生時に存在していた無対結節の沈下不全によって生じると言われている。中年以降の男性に多く、舌癌と勘違いされて来院するケースが多い。特に治療の必要性は無い。
舌炎を起こしている場合は、含嗽剤等を使用する。

地図状舌

地図状舌は下の表面に地図状の模様が出来ます。日々模様や位置や広がり方が変化するので不安になり、舌癌と勘違いされる患者様がおられます。
原因不明で幼児や女性の方に多く見られます。特に治療の必要はありません。

溝状舌

溝状舌は、舌背に深い溝がしばしば左右対称的に生じます。
溝が深いため、食渣(食べかす)が溜まりやすく舌に炎症を引き起こすことがあります。
特に症状が無ければ治療の必要はありません。
メルカーソン・ローゼンタール症候群に付随して生じる場合があるので、鑑別診断が必要な場合があります。メルカーソン・ローゼンタール症候群は顔面神経麻痺・肉下種性口唇炎・溝状舌の3つの症状を伴う病気です。虫歯や副鼻腔の病気が悪化することで、周囲の神経に影響を及ぼすことにより発症するリスクが高まると言われております。

小帯異常

小帯には上唇小帯・舌小帯・頬小帯などがあります。上唇小帯が原因で前歯の間に隙間ができたり、舌小帯の影響で発音時活舌が悪くなるという言語障害や哺乳・摂食障害がある場合は、炭酸ガスレーザー等で切開する必要があります。
上唇小帯は年齢と共に細くなり上に上がっていく傾向があるので、いきなり切除せず観察を要する場合があります。前歯が乳歯から永久歯に生え変わる時に改善される場合もあります。

粘液嚢胞

口腔を湿らせている粘液線の出口を噛むことによって粘液が貯留し、小腫瘤ができます。嚢胞は腫瘍ではありません。
舌尖部裏に出来るものをブランディン・ヌーン嚢胞と呼びます。特殊なものに口腔底出来るガマ腫があります。粘液嚢胞は潰れては腫れるという再発を繰り返す場合があります。粘液線ごと摘出することが再発を防ぐことになります。
年齢的に摘出手術が困難な乳幼児等は、炭酸ガスレーザーで焼却する場合があります。

下顎隆起・口蓋骨隆起

骨の過剰形成を外骨腫といい、下顎にできるものを下顎隆起、口蓋に出来るものを口蓋隆起といいます。特に異常ではありません。しかしながら、入れ歯を作成する際に、この外骨腫が邪魔になり入れ歯が作れない場合があります。
その様な時には、外骨腫を削除する場合もあります。

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